静かで観察的なまなざしで描かれる本作は、Laura Alcaldeによるフィルム作品。
舞台は春の地中海沿岸。3人の友人たちが、とあるバカンスハウスに到着する場面から物語が始まります。
最初はその場所に馴染めず、壮麗な佇まいや、周囲のにぎわいとは対照的な静けさに戸惑いを感じます。
けれど、やがて家はその姿をあらわしていきます。
遠くから聞こえる村の祭りのざわめき、風に運ばれる子どもたちの笑い声や音楽──日が長くなる季節の中、祝祭の気配が彼らを包みます。
そして少しずつ、音と記憶を通して、彼らはその場所に「帰属」していく感覚を育んでいきます。